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三平和男コラム「働く」ことについての課題今昔
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2018年4月10日
今月は、職場でも新入社員や人事異動などで新たな社員を加え、フレッシュな新年度を迎えていることでしょう。春の草花も咲き乱れ、希望に満ち溢れた新入社員・新入生を見るにつけ、かつての自分を振り返り複雑な思いを抱く人も少なくないのではないでしょうか。
自分自身、40年前に社会人としてスタートした当時は、当然ながら時代背景も異なりますし、今と比べることはできませんが「働く」ということについての課題は、違いと同時に共通することも多くあったことを思い起こします。変化の大きさを感じるのは新入社員研修にかける時間とコストの違いです。筆者が入社した銀行など金融機関は特に新入社員研修は充実していて、半年から1年位の研修期間は普通でした。入社から定年退職までの雇用の安定を前提に、企業内人材育成の充実が図られていた時代でありました。
一方「働く」ことについて共通する課題についてはどうだったでしょうか。
先ず、労働時間については、週48時間から40時間へと移行していく過度期にあり、時間短縮のため、コンピュータの導入などによる業務改善は大きな課題の一つでした。
また、55歳定年から60歳定年へと移行期にあり、昭和53年当時、55歳定年制を採用する企業の割合は41%と最も多く、60歳以上定年制を実施している企業は39%でした。定年年齢の延長が緩やかなテンポで進んできていました。一方、労働者の多くは定年以後も引き続き就労しており、その点でも今と同じ状況といえますし、高齢者の活用についての課題も共通していたといえます。
また、技術進歩の影響やサービス産業の増加などを背景として女性に適した職場が増え、働く女性が増加してきた頃で、昭和60年に男女雇用機会均等法制定され、女性の活躍が期待されるという時代背景のなかで、労働力の活用・活躍推進策という課題も共通していると感じるところです。
沈丁花の香りに春の訪れを感じながら、若かりし自分の新入社員当時を思い起こし、「働く」ことの今昔を考えてみました。