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三平和男コラム「夏の定例業務」
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2021年7月14日
毎年7月は、年に一度の社会保険料を決定する社会保険算定手続という社労士にとっては年中行事のような定例の業務があります。
かつては8月に実施されていましたが、労働保険の年度更新と同様、今は7月に行われています。
最近では、年金事務所(旧社会保険事務所)に書類を持参して手続きを行うことはほとんどなく、電子申請で手続きを行うようになっています。
筆者が窓口に直接出向いていた20年以上前は、多いときには、一日に5か所ほどの社会保険事務所に行っていました。夏の暑い盛りでもあり、熱中症で倒れる同業社労士も珍しくない時代でした。
手続きをする年金事務所は、都内に限らず、土浦、佐原、川越など関東一円はもちろん、甲府、沼津など日帰りで行けるところはどこにでも出向いていました。地方の役所に行くのは小旅行のようでもあり、夏という季節も相まって多少の楽しさを感じながら、恒例業務に勤しんでいました。
ただ、地方の役所では、東京とは異なるローカルルールに基づいて実施されることも珍しくなく、戸惑うこともありましたが、それもまた新鮮でした。また一つの年金事務所が管轄する地域は広いこともあり、会場が市民会館などの大規模公共施設で行われるところが多かったです。
この時期になると思い起こすのは、地方駅前にある大衆食堂でのお昼時の情景です。
ちょうど高校野球が開催されており、地元高校の試合がテレビで流れているときなどは、店中が大変な賑わいで、店の外からも歓声が聞こえてくるほどでした。大盛り上がりで、楽しい思い出の一つです。
かつてのアナログな手続き業務を思い起こすと、夏の風物詩を一つ失くしたようで、一抹の寂しさを感じます。しかし、行政手続きのデジタル化によって、我々社労士の業務の効率化が図られ、お客様にもより付加価値の高いサービスを提供できる機会を得たことは、素晴らしいことだと思っています。