事務所コラム
職員コラム「沈丁花の香り」
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- 三平事務所通信
2023年3月2日
弥生3月は、新しい年度に向けて、春風の到来とともに心がときめくものである。
少しずつではあるが、コロナ前の日常に戻りつつあるということもあり、何かと人が集まる機会も増えてきている。この時期は、企業では人事異動に伴う歓送迎会、学校では卒業式・入学式など、人の異動、入れ替わりが様々な場所で繰り広げられる。一人ひとりにとっては人生の節目となる季節でもある。
いくら歳を重ねても、この時期になると慌しくもあり、新年度に向けて、期待に心ときめくことがある半面、新たな環境や状況の変化に不安を抱くことも多く、心の中は複雑で落ち着かないものである。そのような時、私の心を穏やかにしてくれるのは、春の優しい風とともに漂う沈丁花の香りだった。しかし、ここ数年、自宅と事務所の行き帰りの道中で沈丁花の香りを感じることがなくなってしまった。これは自分の嗅覚が鈍感になっているのかとも思ったが、そもそも日常生活の中で沈丁花を目にすることがないのだから、香りを感じることがないのは当然である。しかし、本当にそうだろうかという疑問も生じてきた。つまり、仕事に限らず、様々なことを同時並行して行っていること、常に時間に追われていること等から、気持ちの余裕がないこともあり、移り行く季節を感じる感性そのものが衰えてきているのではとも思うのである。
いずれにしても、日々の生活の中で道端の花々に目を留め、季節を感じる心の余裕は失いたくないものである。私にとって、沈丁花の香りは、春の到来を最も強く印象付けてくれるものであり、4月からの新たな年度に向けての希望、期待感などとともに、うきうきした気分にさせてくれます。
どうか皆様にとりまして、希望に満ちあふれた新年度となりますことを願っております。来月も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。